漁業者が貝殻基質の製作に参加することで豊かな海づくりに貢献しています。
JFシェルナースの基となる部材です(大きさは、直径15cm、長さ約1m)。廃棄貝殻を有効利用しています。
貝殻の重なりによって複雑な小空間が多数形成され、エビ・カニ類、ゴカイ類などの最適な生息空間を創り出し、自然の力で魚介類に餌生物を供給します。
内部にすき間がある貝殻基質と
すき間のない平面形状との比較
貝殻に生息する餌生物
【関連文献】
野田幹雄ほか:内部空隙をもつ管状基質が無脊椎動物,特に魚類餌料動物の加入に与える効果, 水産増殖50(1), 37-46, 2002.
穴口裕司ほか:多海域における貝殻増殖基質に生息する動物群に関する検証, 平成30年度日本水産工学会学術講演会学術講演論文集, pp.37-pp.40, 2018.
貝殻基質のすき間やJFシェルナース内部の空間は、魚介類の隠れ場や産卵場となります。また、放流種苗や天然幼魚の隠れ場を提供します。
礁内部に隠れるキジハタ、メバル
ヤリイカのたまご
放流後、JFシェルナースに逃げ込む
キジハタ種苗
【関連文献】 藤澤真也ほか:貝殻魚礁における部材密度と蝟集魚類との関係, 平成26年度日本水産工学会学術講演会学術講演論文集, pp.9-12, 2014.
JFシェルナースは、①海藻類の胞子がつきやすく、泥が堆積しにくい ②着生した海藻がはがれにくい ③ウニ類などの食害を受けにくい、といった特徴を有しており、優れた着生基質として効果を発揮します。
JFシェルナースに繁茂する海藻
浮泥の量を調べた結果
(左:天然礁、右:貝殻基質)
シェルナースにしっかり着生する海藻
【関連文献】 片山貴之ほか:基質によるカジメの固着力の変化, 平成14年度日本水産工学会学術講演会学術講演論文集, pp.65-68, 2002.
JFシェルナースに集まる餌(小型動物や小魚)を狙い、大型魚が集まります。
JFシェルナースに集まるカンパチの群れ
漁獲されたマハタ、キジハタ等
1時間当りの水揚金額(円)の比較
【関連文献】 藤澤真也ほか:貝殻魚礁漁場の利用実態について, 平成24年度日本水産工学会学術講演会学術講演論文集, pp.23-26, 2012.
貝殻基質の製作や効果調査への参加など、漁業者自身が豊かな海づくりに貢献しています。また、貝殻を有効利用していることから、エコマークやバイオマスマークなどの環境配慮型製品として認定されています。
カキ殻テストピースを引き上げて小型動物を採集